京都 救急 動物病院 「京都夜間どうぶつ診療所」

京都夜間どうぶつ診療所

電話番号0774-44-3139

電話番号0774-44-3139

採用情報

news

アクセス

お知らせ

お知らせ

2016.08.10

Q.急にお腹が膨れてきました

A. 中年齢以上の大型犬の場合、胃の動きが低下した結果、胃にガスがパンパンに溜まったり、胃がねじれてしまったりする、胃拡張胃捻転の可能性があります。胃がなぜ捻じれるのかについての原因ははっきりしていませんが、1日1回のいわゆるドカ食いや、食後すぐに散歩したりすると起こりやすくなると言われています。また、冬場に多いとの報告もあります。
 
胃拡張とくに胃捻転を起こすと、拡張した胃によって後大静脈という太い血管が圧迫されるため心臓への血液の戻りが少なくなって循環が悪くなり、ショック状態に陥ります。また、胃への血流が悪くなって胃が壊死を起こしたり、不整脈が出たりするため、治療を実施しても死亡率が15~68%(手術前の状態によりさまざま)と言われている病気で、いかに早く治療を始めるかが予後を左右します。
 
お腹が急にパンパンに膨れる以外に、吐き気はあるのに吐けない、ヨダレが多いというのも特徴的な症状となります。また、最近は大型犬以外に老齢のミニチュア・ダックスフントにも多く認められます。
治療法はまずは減圧といって、お腹のガスを針で刺して一刻も早く抜いて、パンパンに張った胃の圧力を下げる必要があります。これでとりあえず心臓まで血液が戻り、血圧低下をなるべく少なくすることができ、胃が壊死する可能性も減らせます。しかし、その後に麻酔をかけて胃洗浄か手術をする必要があることもあります。もちろん別の病気の可能性もありますので、まずは一刻も早く診察を受けていただくことをおすすめします。
(SURGEON26 Technical Magazine for Veterinary Surgeons Vol.5 No.2)

一覧へ戻る